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『非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと』

太田あや 著
東京大学合格者の上位30校で、定員の50%を占めるという。そのような状況の中で、創立以来東大合格者が一人もいなかったというような「非進学校」出身の東大生11人にインタビューを行い、高校時代にどのようなことをしていたのか、まとめたものがこの本。

インタビュアーは『東大生のノートはかならず美しい』の著者、太田あや氏。

読み始める前は、「この高校から東大に合格した人はいないし、東大受験を指導する力もない。きみを育てるリソースを持っていないし、生徒が東大に合格できる実力かどうかを測る指標すらうちにはない。情報不足のせいで、東大のレベルを教えられずに悪かった」(P215)というような高校ばかりなのか、と思った。しかしながら、この本に登場する多くの東大生たちは、授業と教科書を徹底理解し、「学校の先生が全力で東大受験をサポート」していたのだという。

ただ、まわりに東大を受験する人がいない環境というのは大変なことである。切磋琢磨するライバル、わからないことを教え合う友達がいない孤独感。受験にいることいらないことを仕分けするノウハウ、情報がない「情報格差」。そのような苦労を乗り越えて合格を勝ち取っていった東大生のことばは、実に読みごたえがあった。

とくに印象に残ったのは、興南高校出身の東大生の次のことばである。
「東大には、沖縄とは真逆の雰囲気があります。それは、どんなに大口をたたいても笑われないということ。沖縄にいた頃は、将来の野望を語ると、『はいはい、おもしろいね』と拍手されたり、『あとで恥ずかしい思いするから、そんなこと言わない方がいいよ』とたしなめられたり。そういう雰囲気がすごく嫌だったんです。でも、東大生は違います。『いつか学校を建てたい』と話すと、海外に学校を建てるプロジェクトに参加したことがあるからとアドバイスをくれたり、『国際機関で働きたい』と言えば、知り合いが働いているから紹介するよと言ってくれたり。そんな人がたくさんいます」
「沖縄は、勉強を頑張ってもなんにもならないという風潮が強いように感じます。きっと。勉強を頑張るその先に何があるのかが見えないからだと思います。例えば、スポーツで頑張れば甲子園があるし、また、ボクシング世界チャンピオンの具志堅要高さんもいます。歌やダンスを頑張れば、安室奈美恵さん、HYさんなど芸能界で活躍している人たちがいます。沖縄の子どもたちにとって、スポーツの道、芸能の道への目標があっても、勉強の道においては目標となる人がいないんです」(P51)

おっしゃる通りである。

リベラルアーツのprivilege英語コースは、「超進学校に通っていたらあまり感じることのない悔しさや孤独」だとか、「情報格差」の中で日々格闘している高校生のために創られました。意欲のある高校生のみなさんをお待ちしています。

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