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Travel Journal

2月4日~8日 帰省
2年ぶりの実家。実家での滞在中は、鎌倉や神田神保町などに足をのばす。変わらない景色に安心し、変わり果てた光景に驚く。
稲村ケ崎から見た富士山

鶴岡八幡宮大銀杏
鶴岡八幡宮と言えば、石段脇の大銀杏。鎌倉幕府三代将軍の源実朝が暗殺された現場として、歴史の授業の時に教わったのだが…変わり果てた姿になっていた。数年前に台風で倒壊したのだとか。

古本の町、神田神保町。
田村書店
通いなれた古書店の変わらぬ光景にひと安心する。

2月9日 伊勢
朝一番の新幹線のぞみで東京から名古屋に向かう。近鉄特急に乗り換えて伊勢市に。式年遷宮後の伊勢神宮を訪れてみようと思い立つ。まずは外宮に。
外宮
次に五十鈴川を渡り、内宮へ。折あしく天気は雨。そして寒い。
二見浦
内宮神楽殿で祈祷ののち、二見浦。
神仏分離以前の日本人の祈りの形を見る。
一月家
晩は伊勢市の宮町にある居酒屋「一月家」。

2月10日 新宮
朝5時半、まずは伊勢市駅のホテル近くにある外宮に参詣。
外宮の朝
伊勢神宮は朝5時から参拝可能。森厳とした雰囲気。参詣ののち、ホテル近くにある商人のまち河崎を歩く。
朝の河崎町
伊勢では、正月過ぎてもしめ飾りをする家が多い。神が一年365日いる土地柄なのだろうか、年神を新しく迎え、送る必要がないそうである。
伊勢のしめ飾り
朝9時、松坂からJRで作家・中上健次の故郷である新宮に向かう。2時間半ほどで新宮につく。急峻な海岸線と太平洋のコントラストが印象的。
新宮駅
新宮は晴れだった。
中上健次生誕の地
中上健次の小説世界を体感すべく、新宮市内を散策する。中上健次の小説に度々登場するが、新宮は大逆事件に関連する土地でもある。

熊野速玉神社にほど近い、佐藤春夫の家を訪れる。そういえば佐藤春夫は大逆事件に連座して処刑された大石誠之助のことを詩にしていたのだった。医師である大石は、貧しい人を診察する際、戸を三回叩けば診察料を無料にしていたそうである。

千九百十一年一月二十三日
大石誠之助は殺されたり。
げに厳粛なる多数者の規約を
裏切る者は殺さるべきかな。
死を賭して遊戯を思ひ、
民俗の歴史を知らず、
日本人ならざる者
愚なる者は殺されたり。
「偽より出でし真実なり」と
絞首台上の一語その愚を極む。
われの郷里は紀州新宮。
彼の郷里もわれの町。
聞く、彼が郷里にして、わが郷里なる
紀州新宮の町は恐懼せりと。
うべさかしかる商人の町は欺かん、
---町民は慎めよ。
教師らは国の歴史を更にまた説けよ

私が、大逆事件の、大石誠之助を、歴史の人間ではなく生きた血の通った人間として思い描けるのは、そのトントントンと硝子戸を叩くエピソードによる。義父の母親、私から言えば義理の祖母が、そうやって硝子戸を叩いて、診察をしてもらった。中上健次「私の中の日本人」

熊野速玉神社
佐藤春夫の家
そのあと、中上の小説「火まつり」の舞台神倉神社。
神倉神社石段
神倉神社の、あまりにも急な石段を登りきる。
火まつりの舞台
中上健次の墓
中上健次の墓地を訪れた。晩は市内の居酒屋。
熊野牛の煮込み

さんま寿司

2月11日 吉野,天川村
昨日から近畿地方の天気は大荒れ。寒気の影響で新宮でも雪がちらついている。
日本最長の路線バス
朝5時53分、新宮駅。これから日本最長の路線バスに乗り、新宮駅前から奈良の五条に出て、吉野は天川村に。熊野川の河口新宮から源流の村に。
チェーンを装着
銀世界
熊野川沿いの温泉地のひなびた光景を見やり、次第に路面は白く…
天川大弁才天社
本日のやど。積雪60センチ。
弘法大師・空海ゆかりの地である天川村に。

2月12日 奈良
朝。起きてみると…

気温は氷点下6度。吹雪。

奈良交通バスで近鉄下市口駅まで。山を降り、一気に町へ出る。
興福寺南円堂
朝9時半には奈良市内。雪はもちろん、積もっていない。
指図堂からの景色
久しぶりの東大寺は一大観光寺院になっていた。観光客の波を避け、あえて人の訪れない塔頭をめぐる。指図堂では、堂を守る方に絶好の撮影スポットを指南される。親切である。
東大寺真言院
真言院大師堂
真言院御朱印
東大寺における弘法大師空海の足跡をたどる。司馬遼太郎の「空海の風景」を読んで気になっていた、東大寺真言院へ。普段は非公開の塔頭。御朱印をいただくため、インターフォンを押す。運よく、人がおられたので、院内に入れていただく。
若草山
造替した春日大社を経て、表通りから一本隔てた路地をうろつく。高級住宅街。
奈良の裏路地はまことに風情があってよい。しかも、観光客はほとんど訪れない。
奈良ホテル
本日は奈良ホテルに止宿する。
今回の旅に関連して
中上健次「紀州」「地の果て至上の時」松坂から新宮に向かう紀勢本線の車内で再読する。新宮駅にある観光協会の案内所にて、中上健次ゆかりの地に関する地図を頂ける。
司馬遼太郎「空海の風景」
空海に興味を持った時、手始めに読んだ本。
中沢新一「悪党的思考」
真言密教と神道の繫がり、南北朝時代について。
森本公誠「イブン=ハルドゥーン」
東大寺の僧侶の傍ら、京都大学でイスラム史学を講じる。その昔河合塾で世界史の授業をとっていた時、東大寺のお坊さんで袈裟をつけて学会報告される方がいるという話を聞いたことがあり、東大寺というとこの方のことを思い出す。

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