2年ぶりの実家。実家での滞在中は、鎌倉や神田神保町などに足をのばす。変わらない景色に安心し、変わり果てた光景に驚く。
稲村ケ崎から見た富士山 |
鶴岡八幡宮大銀杏 |
古本の町、神田神保町。
田村書店 |
2月9日 伊勢
朝一番の新幹線のぞみで東京から名古屋に向かう。近鉄特急に乗り換えて伊勢市に。式年遷宮後の伊勢神宮を訪れてみようと思い立つ。まずは外宮に。
外宮 |
二見浦 |
神仏分離以前の日本人の祈りの形を見る。
一月家 |
2月10日 新宮
朝5時半、まずは伊勢市駅のホテル近くにある外宮に参詣。
外宮の朝 |
朝の河崎町 |
伊勢のしめ飾り |
新宮駅 |
中上健次生誕の地 |
熊野速玉神社にほど近い、佐藤春夫の家を訪れる。そういえば佐藤春夫は大逆事件に連座して処刑された大石誠之助のことを詩にしていたのだった。医師である大石は、貧しい人を診察する際、戸を三回叩けば診察料を無料にしていたそうである。
千九百十一年一月二十三日
大石誠之助は殺されたり。
げに厳粛なる多数者の規約を
裏切る者は殺さるべきかな。
死を賭して遊戯を思ひ、
民俗の歴史を知らず、
日本人ならざる者
愚なる者は殺されたり。
「偽より出でし真実なり」と
絞首台上の一語その愚を極む。
われの郷里は紀州新宮。
彼の郷里もわれの町。
聞く、彼が郷里にして、わが郷里なる
紀州新宮の町は恐懼せりと。
うべさかしかる商人の町は欺かん、
---町民は慎めよ。
教師らは国の歴史を更にまた説けよ
私が、大逆事件の、大石誠之助を、歴史の人間ではなく生きた血の通った人間として思い描けるのは、そのトントントンと硝子戸を叩くエピソードによる。義父の母親、私から言えば義理の祖母が、そうやって硝子戸を叩いて、診察をしてもらった。中上健次「私の中の日本人」
熊野速玉神社 |
佐藤春夫の家 |
神倉神社石段 |
火まつりの舞台 |
中上健次の墓 |
熊野牛の煮込み |
さんま寿司 |
2月11日 吉野,天川村
昨日から近畿地方の天気は大荒れ。寒気の影響で新宮でも雪がちらついている。
日本最長の路線バス |
チェーンを装着 |
銀世界 |
天川大弁才天社 |
本日のやど。積雪60センチ。 |
2月12日 奈良
朝。起きてみると…
気温は氷点下6度。吹雪。
奈良交通バスで近鉄下市口駅まで。山を降り、一気に町へ出る。
興福寺南円堂 |
指図堂からの景色 |
東大寺真言院 |
真言院大師堂 |
真言院御朱印 |
若草山 |
奈良の裏路地はまことに風情があってよい。しかも、観光客はほとんど訪れない。
奈良ホテル |
今回の旅に関連して |
司馬遼太郎「空海の風景」
空海に興味を持った時、手始めに読んだ本。
中沢新一「悪党的思考」
真言密教と神道の繫がり、南北朝時代について。
森本公誠「イブン=ハルドゥーン」
東大寺の僧侶の傍ら、京都大学でイスラム史学を講じる。その昔河合塾で世界史の授業をとっていた時、東大寺のお坊さんで袈裟をつけて学会報告される方がいるという話を聞いたことがあり、東大寺というとこの方のことを思い出す。